フランスの薬局でフィトテラピーの調剤原料として使われる品質は、ANSM(フランス国立医薬品・医療用品安全庁:旧AFSSAPS)が認めるBPF(=英語でGMP:日本では「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」と呼ばれるものがある)によって、製造工程・製造ライン・成分分析・トレーサビリティが厳しくコントロールされている必要があります。
ANSMが行う少なくとも2年に1回または1年に1回の調査、時には突然の抜き打ち調査によって、それぞれの分野でのBPF資格・ファルマスティック資格が更新されます。
ラボに入荷したすべてのハーブは葉・花・茎・根など使用部位ごとに、また部位によっても、全形か、砕いてあるかなど形状ごとに、すべてパッキングが分けられ、それぞれの生産者番号が記載されています。ここからすでに、最終的に薬局の患者さんが商品を手にするところまで、各工程でトレーサビリティが徹底されています。
ちなみにハーブが栽培される農場においても、土壌や使われる水のチェック、乾燥方法や乾燥させる日数についてなど、すべて管理されています。
さて工場では、まず入荷したすべてのパッキングごとに検査を行い、安全性が確認されたものだけが製造ラインに入ることができます。規定に反する品質のハーブは、すぐに仕入元へ送り返されます。
花や葉といった壊れやすい部位と、根や種などの固い部位とでは、使われる機械が違います。製造ラインは常に清潔に保たれ、異物の混入などが無いよう、人の目による入念なチェックがあります。
どのラインでどのロットが加工されたか、その前後で加工されたロットの順番なども、細かく記録されています。
小分けされた製品ごとにまたロットがふられ、製品にはそれぞれ成分分析表が添付されています。収穫年月、収穫地、製品ロット、原料ロット、使用期限、異物がないこと、水分含有率が適正であること、有効成分が含まれること、トレーサビリティのバーコードなどが記載されています。
またティパックについては、使われる濾紙、糸、パッケージについても安全性が確認されたものが使用されています。
独自の分析ラボラトリーを持ち、官能検査、顕微鏡検査、燃焼検査(燃えた後の灰を調べる)、また外部分析機関でも微生物検査などが行われ、製品の定義(必要な物質が含まれているかどうか)や品質がヨーロッパ基準に適っているかどうかを確認します。
このように厳しい基準をクリアして出荷されたティザンヌやフィトテラピーエキスは薬局へ運ばれ、とりわけBPP(調剤における製造・品質管理基準)が認められた薬局においては、入荷時のロット管理から調剤、販売に至るまで基準通りの設備で、トレーサビリティが途切れることなく保管・製造などが行われ、購入者の手元へ届くことになります。